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引退試合

昨日(10月7日)、神宮に古田敦也の引退試合を見に行ってきました。

ワタシは「引退試合」というやつが好きです。
というか、はっきり言って弱いです。
決して泣いたりはしませんが、腹の底からグッとこみ上げるモノがあるのですね。

一応、30年来のスワローズファンなので、
燕関係の「引退試合」には数多く立ち会っております。

91年、尾花高夫の引退試合。相手は広島で、
確か、江藤が「敬意を表して」3球フルスイングの空振り三振をしてくれました。
ちなみにこの試合の第一打席で、若き古田がレフト前ヒットを打って、
落合博満との首位打者争いを制したのです。

荒木大輔は最後の1年を横浜で過ごしたのですが、
引退試合は“古巣”ヤクルト戦で、しかも神宮球場。
1回裏、打席に入った飯田哲也がヘルメットを脱いで荒木にお辞儀をしたシーンは
今でも忘れることができません。

そして、池山隆寛の引退試合。
普段は「熱気」とは程遠い神宮が、この時だけは
甲子園か札幌ドームか、というくらいの一体感に包まれたのです。
あの日で、ワタシの「幸福な90年代のプロ野球」は終わったと思いました。

……と思っていたのですが、古田がまだいたんですね。
90年代のスワローズ黄金時代の最大の功労者であることは認めつつ、
正直、古田にはあまり思い入れがありませんでした。
理由は、以下のごとし。

尾花や荒木や池山のように「暗黒の80年代」を共有していないこと。
あまりに優等生であるがために「活躍して当然」と思っていたこと。
そして、監督としての振る舞いに幾多の疑問を感じていたこと。

昨日の試合およびセレモニーも、
いかにもマニュアル通りの進行といった感じで、
池山のときのような熱い感情を呼び起こされることはありませんでした。
でも、一連の流れが終わり、最後にクラブハウスへ引き上げようとした古田が、
ライトスタンドへ走り出してフェンスへよじ登った光景を見て、ちょっとヤラれたのです。

あれは、まぎれもなく95年日本シリーズ優勝後のパフォーマンスの再現。
フェンスをまたいでファンに拳を振り上げる古田の姿を見たとき、
「ああ、あのときは隣に飯田がいた。あと、オマリーとミューレンもいたな」と
瞬時に記憶が蘇ってきて、ちょっとたまらなくなったのですね。

野球ファンにとっての宝物は「記憶」です。それ以外にはないといっても過言ではありません。
今だったら、ファイターズファンの皆さん。
この夢のような時代の光景を、しっかりと目に焼き付けておいてください。
こんないい時代は、いつか終わります。
でも、「いい時代の記憶」だけで10年はメシが食えますから(笑)。

(大)


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コメント (2)

幕張より:

胸にキュンと来ました。2005年に拘泥するか、07年が「いい時代」になるのか、今夜見守りたいと思います。

オースギ:

快勝おめでとうございます。
成瀬バンザイ!
次の札幌決戦が
「事実上の日本シリーズ」だと
思っています。

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2007年10月09日 00:22に投稿されたエントリーのページです。

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